”取り敢えず” という条件付きの免許状交付です。
アマチュア無線局の免許は5年毎に更新する必要があり、私は開局以来律義に手続きを続けてきました。
申請は ”電子申請” が利用可能ですが、いくつかのステップの末、免許状を手にする迄には一月程度は必要な感じです。
今回更新申請した第一送信機がこれです。
(FT-400S+自作のトランスバータ)
高校時代に第二級アマチュア無線技士の資格を取得後、親にねだって、当時熊本にあった無線機ショップで購入し、列車で持ち帰った記憶があります。
かなりの重量があるのですが、重くてさぞ大変だったろうに、その記憶はありません。余程嬉しかったんでしょうな。
価格は9万円程だったと思いますが、調べると大卒の初任給が4万円に満たない時代、給料二ヶ月分以上です。よくぞ買って貰えたものです。よほど良い子だったのか、いやいや、決してそんな息子じゃなかったなぁ。(-_-;)
実際、こんなロートル機種 (1969発売) でも免許は交付されます。
但しこの無線機が使用出来たのは、無線機の性能基準(スプリアス規格)の改定により、元々は令和4年12月30日までのはずでしたが、コロナ禍による社会状況の混乱を受けてその期限が延長されていました。
なので、冒頭の ”取り敢えず” というわけです。
延長期限が、”当分の間” ってのが先送り感があっておもしろい。
前回と今回交付された免許状の備考の記載を比較するとこうです。
つまり、私の無線局が存続可能なのは、 ”当分の間” ということになり、その いつ来るのか分からない ”当分の間” が終わると命が尽き、コールサインも使えなくなるということでしょうか?
無線機は使えないけど、廃局申請をしない限り無線局は残る?でも無線機のない無線局などあり得ないし---。
う~んん、良く分からん。
もっとも、実際には今なお無線設備を整えているというだけで、無線局を日々リアル運用しているわけではないので困りはしませんが、ただ、長く続けてきたものがそこで途絶えてしまうことへの一抹の寂しさを感じるだけです。
選択肢は次の二つになりそうです。
1:現行の設備のままJARD(日本アマチュア無線振興協会)のスプリアス認定保証を受ける。
2:新スプリアス認定対象機を新たに用意し、無線局の変更申請をする。
ですが、
1 の場合、当局の無線機が老いぼれ過ぎて、JARDが認定保証可能とする機種リストに掲載がなく、かと言って個別に機器のスプリアス性能を実測して適合を証明するというのでは、費用や手間がかかり現実的ではない。
2 の場合、現在の運用可能範囲 (HF~UHF) をカバーできる機器を買い揃えるには、相応の出費が必要。
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結論としては、移行期限の決定を待って廃局申請を提出し、この世界と決別するか、もしくは、コールサインを維持するためだけなら、新スプリアス対応の安いUHFトランシーバー でも手に入れて、無線局の変更申請 (現行機を撤去して入れ替える) をするかの何れかでしょうが、せっかく?ここ迄引きずって来たのだから、コールサインも墓の中まで道連れにしようと思っています。
思い返せば、廃テレビを分解して得た真空管やパーツを使って送信機を組み上げ、世界中と無線通信することが子供でも可能だった時代が懐かしい。
スマホであらゆる場所の人々と安定的に話せる時代となっては、今更無線交信でもないわけですが、
レコードやフィルムカメラ、旧車が愛されるのと似ていますよね。
何でもかんでも、便利に目的が果たせれば良いってことではないのです。
アマチュア無線が ”キングオブホビー” と呼ばれた時代からは隔世の感がありますが、
今なお愛好家にとっては愛すべき趣味であることに変わりはないはずです。